私たちの靴下製造は台湾で行っています。
私と台湾の工場との出会いは、10数年前にファンシー雑貨メーカーで仕入れの仕事をしていたときに、靴下を担当したのがきっかけでした。
製造工程ごとの加工工場の繋がりで成り立つ台湾の靴下産業
台湾の靴下産業は、製造工程ごとの加工工場どうしの繋がりで成り立っています。
靴下工場が糸屋さんで糸を仕入れて靴下を編み立てます。
編み立て工程が完了したら、製品を縫製工場に移動して、ロッソと呼ばれる靴下専用のミシンで縫製されます。
その後、定型工場で蒸気をかけて形を整える作業を行います。
後加工が完成したら、靴下工場で受け入れ検品と梱包を行い、出荷されます。
靴下に刺繍を入れる場合は刺繍工場、滑り止めのプリントを入れる場合はプリント工場で加工を行います。
このように、台湾の靴下産業は複数の加工工場のネットワークによって支えられています。
台湾の靴下産業で働く加工工場の人々
私はもともと中国語を専攻していました。
前職では、日本語が通じない新規の工場や、会社としてパイプのない工場との取引、新しい商材の開発などを担当していました。
靴下もそのうちの一つでした。
大口の発注が決まったこともあり、通訳を兼ねてお客様のアテンドや打ち合わせで台湾の工場を回ることになりました。
今思うと、前職で頻繁に工場や加工工場の人々と膝を付き合わせてコミュニケーションを取れたことは、大きな財産になっています。
オーダーを出す私たちにとっても、靴下の全工程に携わる人々の顔が見えると安心できるからです。
工場が閉鎖したあとも残った加工ネットワーク
2021年、長く取引をしていた台湾の靴下工場が閉鎖しました。
靴下を編み立てるという製造の核の部分は失われましたが、滑り止めのプリントや刺繍といった外部加工の部分は、それまでと変わらず取引を続けることができました。
特に滑り止めプリントの工場とは、以前製作した版が残っていたこともあり、これまで様々な問題を一緒に乗り越えてきた関係でもあったため、その繋がりを残すことができたのは大きかったと思います。
新しい工場との取引を始めるとき、私はプリント工場に電話をしました。
「おう、耕平か」
「工場が閉まったので、別の工場と取引することになったんです。プリントはまたお願いできますか」
「XX(別の工場)とは取引があるから大丈夫だよ。安心していいよ」
そう言ってもらえたことで、現在まで変わらない関係で仕事を続けることができています。
台湾靴下産業の特徴|「一貫生産」と「分業生産」
台湾では、すべての工程を同じ工場で一貫して行うことを「一條龍」(一匹の龍)と言います。
一貫式で工場を運営すると、生産が外部の加工工場に左右されないため、価格や納期などのコントロールが容易になります。
その反面、工場が停止してしまうと、すべての工程が同時に止まってしまうというリスクもあります。
一方で、加工工場どうしが分業する方式をとる場合、効率はやや落ちますが、ロットを柔軟に調整できたり、リスクを分散できるという利点があります。
どちらが良いとは一概には言えませんが、現在の台湾の靴下産業の多くは、この分業のネットワークによって支えられています。
その構造こそが、台湾の靴下産業の面白さであり、強さでもあるように思います。
編集後記3/9(月)
PCの整理に着手する。整理だけに集中をすると簡単に1日が過ぎてしまうので、朝1時間程度で少しずつ進めることにした。バックアップまで完了したら、パソコン工房のオーバーホールに出して、Windowsの再セットアップまで行うつもりだ。
デザインシステムというドット絵をリアルな靴下のグラフィックで再現できるソフトを使っている関係で、そこそこスペックが高いノートを使っている。
キーボードの間隔が広いし、タッチパットの使い勝手は悪いしMacに遠く及ばない。
ただデザインシステムはWindowsでしか使えない。オーバーホールから戻ったら3Dのバーチャルサンプル制作を学びたいと思っている。
海外でもシステムを使っている工場をぼちぼち見かけるようになってきた。3Dを使えこなせるようになったら、システムを共通言語としても機能させることができるようになりそうだ。
スケジュール的にパソコンを持ち出さないとこなせそうもないので、持ち歩いても不便がないようにキーボードにも投資しようと思う。
