靴下製作 製作の進め方

トランポリンなどに使用する滑り止めつきの靴下を製作するときの注意点とは?

「トランポリン場などで使用する滑り止めつきの靴下を製作したい」

本日はそんな方々に向けて、滑り止めつき靴下の製作方法と失敗事例も含めた注意点をご紹介して参ります。

滑り止め靴下の製作工程とは?滑り止めは、靴下工場ではなく印刷工場でプリントされる

トランポリン場で滑り止めつきの靴下を使用する場合、トランポリンで跳ぶことが用途になるため、足底の滑り止めに一定の強度が必要になります。

滑り止めつき靴下は、靴下工場で製造された靴下を、印刷工場でのプリントが完成して、はじめて製品になります。

2つの工場が、協力して製品を製造する形です。靴下工場が窓口になりプリント工場と連絡をとりながら、製作を進める形になります。

トランポリン用の滑り止めつき靴下を製作する際の弊社の失敗事例とは?

弊社は、2016年からトランポリン用の滑り止めつきの靴下の製造を開始して、今年で4年目になります。

初めの2回は、中国で製造しました。2回とも大失敗でした。

納品後に発覚した滑り止めの剥がれのクレーム

やっとのことで、製品を納品して安心するも束の間、プレオープンで靴下を使用して初めて、トランポリン上で靴下を使用すると滑り止めが剥がれ落ちることが判明しました。

何回もサンプルを製作して、サンプルをお客様に確認して、サンプルがOKになった上で製造を進行しておりました。

弊社もお客様もデザインやサイズだけに気を取られて、実際にトランポリン上でテストを行なっていませんでした。

製品が入荷してプレオープンで問題が発覚するとのお粗末な結果になりました。

通常の使用では問題なかったので、後から大手アパレル雑貨チェーン店が、授けた滑り止めの強度をテストする「摩擦」試験を受けたところ合格でした。

日常の使用で求められる強度と、トランポリンの使用で求められる強度は大きく異なりました。

お客様にもご迷惑をおかけしたうえ、代金の返却により、弊社も100万単位の損失を出してしまいました。

材質を変更するもプリントが割れる

2回目の生産は、初回の教訓をもとに、滑り止めの材質を変更しました。

最終サンプルがあがった時点で、実際お客様のトランポリン場で試していただき、剥がれがないことを確認頂いてから生産に進行しました。

納品後、使用状況を確認したところ、剥がれはないもの、数時間使用すると、印刷が割れるというお話でした。

クレームには至らなかったもの、2度にわたりお客様を満足させることができなかった敗北感に打ちのめされました。

デザインとサンプルの問題

靴下のサンプルは、イラストレーターの図案を、靴下工場でドット絵に変換して製作します。

色は、通常糸見本帳からお選び頂くのですが、実際に靴下になると、同じ糸番号を選んでいても色のイメージが異なって見えることがあります。

実際のサンプルをなかなか図案のイメージに近づけることができずに、何回もサンプルを製作することになりました。

滑り止めつきの靴下は、靴下だけではなく、滑り止めの部分のデザインもお客様に確認する必要があります。

「靴下はOKだけれど、滑り止めがOKにならない」など、とにかく時間がかかりました。

中国の靴下工場も1回や2回の修正であれば協力してくれますが、修正の回数が嵩むと工場のモチベーションも下がってきます。

急ぎのものを優先しはじめるので、修正サンプルはどんどん後ろ倒しになります。

お客様からは「遅い」「なぜできない」とお叱りをうけ、工場からは「弊社のお客様とのコミュニケーション能力のなさ」を責められる始末でした。

私たちがトランポリン用の滑り止めつき靴下の失敗から改善したこととは?

顔の見えるプリント工場を使う

現在弊社でトランポリン用の滑り止めつき靴下の製作をするときは、100%台湾で製造しています。

台湾の靴下工場とプリント工場は、長年のパートナーです。

プリントについては、靴下工場を通じてやりとりを行っていますが、私自身も何度も台湾のプリント工場を訪問しており、社長もよく知っています。

長年プリント一筋に取り組んできたので、豊富な経験と高い技術力が強みです。日本語はできませんが、度々日本に訪れている親日家でもあります。

実際にトランポリン場で靴下を履いて、ジャンプするお客様の動画を見てもらいました。

きちんとしたメーカーで材料を仕入れ、配合や温度設定をコントロールすれば、プリントを剥がれにくくすることは可能とのことでしたので、お願いすることにしました。

サンプルで試用してから量産する

どんなに良い工場で製造ができたとしても品質に100%はありません。

特にトランポリン用の靴下の場合、「トランポリン場でジャンプする」という特殊な用途があります。

滑り止めデザインを新しくする、色を変更するときは、お客様のトランポリン場で、剥がれなどの問題がないかテストをしてから量産に入るようにしております。

デザインシステムを導入した

2017年8月末から、島精機製作所さんが開発したデザインシステム「SDS-ONE APEX3」を導入しています。

システムを使用することにより、実物のサンプルを製作する前にバーチャル上でサンプルを製作することができます。

実際に工場で製作したドット絵を元にバーチャルでサンプルを製作するため、実際に上がってくるサンプルにかなり近い精度での製作が可能となりました。

滑り止めも表現できます。これにより、デザインやサンプルに要する時間が大幅に圧縮されています。

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私たちがトランポリン用の滑り止めつき靴下の失敗から改善後の私たちの実績とは?

2018年からデザインシステムの併用と合わせて、台湾靴下工場でトランポリン用の靴下を製造しています。

以前のように納期が遅れたり、納品した後にお客様からご不満をいただくことはなくなりました。

現在までの実績下記の通りです。

デザインについては、私自身デザインシステムの操作にだいぶ慣れてきました。苦労することもありますが、以前と比べると天と地の差と言えるくらい、サービスと製品を含める品質が改善されました。

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トランポリンでの用途や、靴下の滑り止めについてご質問などございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。

 

  • この記事を書いた人
岩村 耕平

岩村耕平

合同会社ブリングハピネス代表。台湾靴下工場と一緒に「靴下ブランドを立ち上げたい」デザイナー、クリエイター、D2Cブランドを製造面で徹底サポート。工場の強みは細かなデザインの再現とはき心地の良さを両立させる技術力。起業してからの7年間で、数多くのブランドの靴下製造を手がける。バーチャルでサンプル製作が可能な島精機製作所デザインシステムを使用。JR東小金井高架下と秋葉原が拠点。雨と雪の日以外の都内移動は全て「自転車」を使用。既成観念にとらわれず最適な場所と時間を選んで仕事する「環境に依存する」働き方を模索中。

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