島精機製作所さんのデザインシステム「SDS-ONE APEX3」「APEX FIZ」を使用して靴下のバーチャルサンプルを製作する流れとは?

島精機製作所さんが開発したAPEXシリーズは、靴下がニットの網目になったときの再現性や色を、バーチャル上でシュミレーションすることができるシステムです。

デジタルデーターでサンプルを製作するため、工場でサンプルを作成する前の段階で、バーチャル上での確認が可能です。

デザインシステムを導入した理由とは?

島精機製作所さんから、お電話で紹介頂いたのがきっかけでした。

当初私は、靴下のサンプルに関わるコミュニケーションの煩雑さに悩んでいました。

工場から、サンプルが上がってくるものも、何度も修正しなければなりませんでした。

イラストレーターで製作したデザインと、靴下の編地にしたときの色やイメージが異なってくるのが原因です。

編み込み靴下を製作する際、デザインをドット絵に置き換えます。

サンプルを製作する前に、ドット絵をお客様に確認頂いたとしても、ドットと実際の編地とではイメージが異なります。

色についても、糸見本帳で見たときと、編み上がったときのイメージが違う場合があります。

そうなるとサンプル修正回数がおのずと多くなります。

修正が重なると工場のモチベーションが下がってきます。

初めは10日で出来上がってきたサンプルが、次回は14日、その次は20日とどんどん後ろ倒しになります。

お客様から厳しい叱責を受けることもありました。

デザインシステムを導入して変わったこと

サンプル修正回数が減少

現在は、デザインシステムでバーチャルサンプルを製作しています。

お客様に提出して、修正点があれば、とことん直してから、実際のサンプルを製作する流れです。

ドット絵の製作は、工場に依頼しますが、それ以外の作業は私自身が行っています。

サンプルの修正回数は、平均的におおよそ50%減少しました。

自らの手でデザインを製作することにより、「ものづくり」の感覚が向上

お客様とやりとりをしながら、サンプル製作の工程をバーチャル上で、実際に自分自身の手を動かして製作を進めるので、作業を通じてデザインが自然に頭の中に入っていきます。

工場に実際のサンプルを依頼するころには、お客様の意図を、自分の言葉で工場へ伝えることができるようになります。

デザインシステムを導入して以来、4年間、バーチャルサンプルを製作し続けてきました。

製作上、壁につきあったとき、以前は、「感情」で工場にお願いするしかありませんでしたが、現在は「なぜできないか」を分析して、工場と一緒に解決方法を検討できるようになりました。

工場の理解を得やすくなった

弊社でバーチャルサンプルの対応をすることで、工場でサンプルを製作する回数が減少しました。

工場の負担を軽減することで、小ロットでの対応がしやすくなりました。

バーチャルサンプルを製作する流れとは?

お客様のデザインを元に、ビットマップデーター(ドット絵)を製作する

靴下のバーチャルサンプルの製作は、お客様からご提供頂いたデザインを、「ビットマップ」とよばれるドット絵にするところからスタートします。

メモ

ファミコンのドラゴンクエストなどのゲームもドット絵から作られています。

糸色を選ぶ

お客様からのデザインデーターをシステムに読み込ませて、データーと一番近い糸色を選びます。

システムが最も近い色を選び出します。

メモ

靴下のお色については、色選びの基準として、Pantone Solid Coatedの色番号で指定いただければ、バーチャルデザインシステムを使って最も近い糸色を選びます。Pantone Solid Coatedでの色指定が難しい場合は、デジタルデーターに近い色を選びます。色修正を行う際は、糸見本帳をお貸しします。

ビットマップデーターを靴下の網目に変換する

ビットマップデーターの、ピクセル(ドット)一つ一つを靴下の網目に変換する作業をします。

これをゲージ変換といいます。

靴下の筒を一枚の絵にしたようなイメージになります。

靴下の筒に一枚絵をはめ込んで完成

最後に、編地に変換されたドット絵を、靴下の雛形にはめ込みます。

靴下の雛形をマッピングデーター。はめ込みをするツールはマッピングエディターと呼ばれます。

マッピングデーターは、様々な雛形から、靴下の種類に応じて選択します。