先日アパレルのお客様より「霜降り靴下」の製作依頼を頂きました。霜降りをWikiで調べてみましたら下記のように出てきました。
霜降り(しもふり)
霜が降りること。
霜降り肉 – 牛肉の中で、脂肪が筋肉の間に細かく網の目のようになった肉。
霜降り造りの略。魚介類や鶏肉などを熱湯に通し、冷水でさらして、表面を白くしたもの。[1][2]
ジーンズ#ケミカルウォッシュ – 俗語「霜降りジーンズ」、上項目に関連した連想に基づく。
霜降り小倉など、布などに、霜が降りたような白い斑点のあるもの。
シモフリマツ(霜降り松) – ゴヨウマツ(五葉松)の近縁種。
霜月 – 霜降り月ともいう。
お笑いコンビ霜降り明星の名の略称。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ケミカルウォッシュジーンズのような柄が入った靴下と言えばわかりやすいでしょうか。霜降り靴下を製作する場合、大きくわけて二つの製造方法がありますので、紹介して参ります。
杢糸を使う
もくいと【杢糸 mottle yarn】
色,太さ,または張力の異なる2本以上の糸を撚(よ)り合わせて,特有の外観を与える糸を飾撚糸(かざりねんし)と呼ぶが,杢糸は飾撚糸の一つで〈からみ糸〉とも呼ばれる。太さが同じ2種または2種以上の異色の単糸を引きそろえて撚り合わせた糸であり,正確には2色のものをからみ糸,3色のものを杢糸と呼ぶが,それほど厳密に区別されていない。まだら,または霜降りのような模様に見えるのが特徴である。白と黒のような対照色で配合される
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について
原材料(糸)に杢糸(もくいと)を使用することで、霜降りの効果を出すことが可能です。
台湾、中国共に各工場で使われている糸見本帳にも杢糸の番号が掲載されております。
在庫があれば選択が可能ですが、工場がサンプル分の在庫のみストックしており、いざ数量が決まって生産に進行するときに糸が不足してしまう場合があります。
サンプルには「霜降り」が入っていたのに、本生産では入っていなかった、というトラブル事例もありますので、生産前の最終確認が必須になります。

引き揃えで製造を進める
引き揃えとは2色以上の糸を同じ糸口から引き揃えて編むことです。
そのため表と裏で糸を見た時にまだら模様に不均一に糸が出ます。
出典 Knit Magazine ニット引き揃え プレーディングの違いについて
引き揃えは2色以上の色を選んで、編機で霜降りをつくる方法です。台湾、中国ともに工場の最低生産ロットで対応が可能です。
色数にもよりますが、デザインの編み込みとの組み合わせも可能です。ロットが多くない場合は、「引き揃え」の製作手法を選択されることをお勧めしております。
2色の色を選ぶときに、同系色を選ばれますと、効果がわかりにくくなりますので注意が必要です。白と黒など色系が異なる色同士で組み合わせをされるのがベストです。

まとめ
ここまで、「オリジナルデザインの霜降りソックスをOEMで製造するときの注意点」について紹介してきましたが、参考になりましたでしょうか?
ちなみに弊社保有の島精機製作所が開発したデザインシステムを用いて、霜降り靴下のバーチャルサンプルを製作することも可能です。
「杢糸」をシュミレーションする場合、中国の糸見本帳にある「杢」の糸番は対応できます。台湾の杢の糸番は現在対応しておりません。「引き揃え」につきましては、産地に関わらず対応できます。
編集後記 2021/12/8
雨のため吉祥寺経由で井の頭線に乗って仕事場へ。早々と記事を書いたあと事務処理。今日は残業して経理業務。写真を1枚もあげていないInstagram、手をつけたいのだけれど、基本はブログ。ブログの記事を一番書いてた頃はSNSをやってなかった。物事を極力シンプルに、将来のことを考え過ぎずに今日やるべきことを確実に一歩一歩こなすことが今の目標。
