台湾と中国で靴下を製造する私たちの生産背景ごとのメリットデメリットをまとめてみた。

こんな方におすすめ
  • 自社のPB商品(プライベートブランド)の靴下OEM製造先を探している。
  • チャイナプラスワンに対応できる靴下メーカーを探している。
  • 靴下の製造に長けた業務提携先を探している。

私たちの靴下の製造工場は、台湾と中国にあります。地域別の製造比率は、台湾70%、中国30%になります。(2021年度)

同じ靴下を製造しているとは言え、地域によって得手不得手が異なります。

実際に私自身が各工場とやりとりをする中での体験も交えながら、各工場で製造する際のメリットデメリットをご紹介して参ります。

目次

台湾工場について

弊社台湾靴下工場は、主に中~高単価のブランド向けの靴下を製造しております。

編み込みの靴下において、柄が細くなるほど、伸縮性が落ちるため、はき心地に影響します。

工場は「多色機」と呼ばれる豊富な色数の再現が可能な編機を146台保有しています。

「多色機」をつかいこなし、細かいデザインとはき心地を両立させる技術力が工場の最大の強みです。

使われている原材料の特長

台湾靴下工場で製造されている靴下の材質は、等級が高めのインド綿を使用しており、ふわっと柔らかな質感です。

口ゴムには、ライクラと呼ばれる日本製の口ゴムを使用しています。

数回洗濯すると、口ゴムがよれてしまう靴下がありますが、台湾工場で製造した靴下は何度洗濯してもよれることがありません。

一本一本の糸が細くて伸縮性があり柔らかい仕上がりなので、足首にゴムの跡がついて痒くなることもありません。

厳選された素材で製造されているため、お子様にも安心して靴下を履かせることができます。

コミュニケーション

靴下工場で30年間のキャリアを積んだ、現地在住の台湾人パートナーと連携して工場とコミュニケーションをとっています。

私自身靴下の経験は今年で11年目になります。言語は全て現地で使われている中国語を使用しています。

コスト

同じ仕様で靴下を製造した場合のコストは、現在は中国工場と同じになりました。ただし冬物につかわれる「フェザーヤーン」(もこもこ糸)をはじめとする特殊な原材料を使う場合や、縫製など手作業の工程が多くなると割高になる傾向です。

リスク

工場の経営者が40代と若いので、後継者不足にて閉鎖する心配がありません。

後から紹介する中国のような政策の変更で発生するイベントの影響を受けるリスクは低めになります。(停電による納期遅延など)

中国との比較で、多色機の台数が多いため、色数が多い靴下の生産が集中したとしても、キャパシティの心配がありません。

中国靴下工場について

中国のパートナーは、靴下の貿易商社を営んでおり、靴下工場の株式を取得し経営にも携わっています。

工場は、主に低~中単価の量販店向けの靴下を製造しています。日本向けの靴下を専門に製造しているので、品質が劣っているわけではありません。

靴下の機能性や外観などの問題はありません。穴あきや汚れというレベルの品質ではなく、靴下の質感やはき心地などの根っこの部分が、台湾工場と異なります。

「多色機」は保有していますが、20台と台数が少なめです。

コストがよりシビアな低~中価格帯の製造が中心ということもあり、中国工場の考えかたは、台湾工場より合理的です。過去の経験に基づいた製品を製造するのは得意ですが、難易度が高かったり、じっくり開発が必要な案件は得意ではありません。

一方、台湾と比べると各国の生産が中国に集中している関係で、冬物も含めて糸の流通量が豊富です。また人口が多いお国がらもあり労働集約的な縫製などの手作業にも対応が可能です。

コミュニケーション

中国のスタッフは全体的に若いです。現在弊社とやりとりをしているスタッフは20代になります。言語は台湾と同じく中国語でやりとりしております。

より一層、細かい部分に気をつかいながら、コミュニケーションをとっております。

コスト

コストが最大の魅力でしたが、値上がりにより台湾と横並びになっています。ただし低~中単価の製品をメインで生産している工場ですので、品質を落とすことで、コストを下げることが可能です。

品質を落とすことは、クレームや販売不振の可能性を上げることにも繋がりますので、弊社ではおすすめしておりません。

リスク

貿易商社の社長、工場社長ともに30代と若いです。中国特有の政策によって発生するイベントによる影響で納期が遅れるリスクがあります。(2021年は電力の制限)

中国は今もなお世界の工場と呼ばれており、各国のオーダーが集中する傾向にあります。靴下はとくに夏場と冬場にオーダーが増えます。

多色機など、キャパシティが少ない編機でしか対応ができない靴下のオーダーを受けると、万が一埋まったときに身動きができなくなります。

まとめ

ここまで「台湾と中国で靴下を製造する私たちの生産背景のメリットデメリット」について紹介してきましたが、参考になりましたでしょうか。

私たちは、自社の生産背景のメリットデメリットを含めてお客様との共有したいと考えております。

私たちは、靴下のお取り引きを、発注一個一個で捉えるのではなく、ブランドであるお客様と一緒に靴下事業を立ち上げるつもりで大きな視点で考えています。

私たちをご活用頂くことで、台湾と中国の靴下製造工場と東京に靴下製造部門を持つのと同じ効果を得ることが可能です。

ブランドを立ち上げる靴下を製造するのに必要な、「人」「経験」「設備」「工場」を擁しており、「マイ製造部門」としてご活用頂けます。

台湾、中国工場とも一長一短です。両方の性格の違いを見極めたうえで、工場をうまく使い分けることができれば、競争力に劣らない靴下の製造背景を持つことが可能です。

リスクヘッジの観点から見ても、万が一、一方が閉鎖してしまうことがあっても、少なくとも生産背景を全て失ってしまうことはありません。

中国の社長に言わせると、私は「病的な心配性」ということですが、お客様にご迷惑をおかけしないためには、事前にありとあらゆるリスクをヘッジする手段を打っておくというのが私の考え方です。

編集後記 2021/12/09

朝のサイクリングは、小平の誰もいない朝のモスバーガーでメールチェックをしたあと、八国山緑地へ足を伸ばす。緑地に入ってゆくと枯葉を踏む足音しか聞こえない。ちょっとした裏山を歩いているだけなのだが、NHKオンデマンドで見た「山女日記」のテーマーが頭の中を流れる。今一番好きな場所かもしれない。

日中は今日も終日井の頭で事務処理。

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この記事を書いた人

合同会社ブリングハピネス代表。中国内モンゴルで中国語とモンゴル語を学んだのち、東京のぬいぐるみ雑貨メーカーで9年間生産管理の仕事をする。2014年に起業し、台湾靴下工場と一緒に「靴下ブランドを立ち上げたい」デザイナー、クリエイター、ブランドに向けた「伴走型でじっくり取り組む靴下製造サービス」を立ち上げる。台湾工場の強みは細かなデザインの再現とはき心地の良さを両立させる技術力。起業してからの7年間で、工場と二人三脚で数多くのブランドの靴下製造を手がける。バーチャルで靴下サンプル製作が可能な島精機製作所デザインシステムを使用。

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