こんな方におすすめ
- オリジナルデザインで靴下の製作を検討している。
- 靴下のOEM生産の予備知識を把握しておきたい。
本日はそんな方々に向けてオリジナル靴下を製作するときのデザイン表現方法の種類とそのメリットとデメリットについて紹介して参ります。
編み込み
靴下を製造するための編機で、編み地でデザインを表現する方法が「編み込み」になります。
編み込みデザインの表現方法とは
編み込み靴下は、デザインデーターを「ドット絵」に置き換えてから製作します。ちなみにファミコンのドラゴンクエストなど、レトロゲームのキャラクターはドット絵で作られています。
上記のスニーカーソックスは、長さ200x横幅144ピクセル(ドット)になります。
長さの数値は、靴下が長くなるほど大きくなります。横幅は靴下のサイズやデザインに応じて、68/96/120/144/168/200と変更することができます。(工場によっても異なります)
一般的に靴下の数値が小さくなるほど横幅が狭くなります。
編み込み靴下を製作するときの「ドット絵」についてこちらの記事でさらに詳しく紹介しております。

使用可能な色数は、標準で7色程度、デザインによって不可能な場合もありますが最大で10〜15色程度までになります。
編み込みで靴下を製作する際のメリット、デメリットとは
メリット
- 素材としてコットンが選択できるので吸水性がよい
編み込みで靴下を製作する際、コットンを素材として選択することができます。
コットンは肌ざわりが柔らかく、ポリエステル、アクリルなどの化学繊維と比べて汗を吸い取りやすい天然繊維です。
柄の部分はナイロンを使用します。柄の範囲が3割だとしたら、ざっくりで、コットン70%、ナイロン29%、ポリウレタン1%が組成比率になります。
ポリウレタンは、下糸とよばれる、靴下の伸縮性を作る細いゴムです。
- 編み込まれているので、着用したときに下糸のポリウレタンが表に出にくい
編み込みは文字通り編み込まれておりますので着用後もデザインを維持することが可能です。
プリントの靴下は、白い靴下の表面に印刷をする形になりますので、着用して絵柄が横に伸びた状態になると、白い下糸がデザイン上に透けることがあります。
デメリット
- ドット絵で表現できる範囲内でのデザイン表現しかできませんので、グラーデーションや写真のような表現ができません。プリントですと可能です。
プリント
プリント靴下のデザイン表現方法とは
プリントソックスは、白い無地の靴下を「編み込み」の手法で製造し、完成した靴下にプリントを入れて製作されます。
編み込みの靴下は、デザインデーターを一旦ドット絵に置き換えてからの製作になりますが、プリントの場合は、「AI」という、イラストレーターの実寸データーでデザインを作成します。
プリントで靴下を製作する際のメリット、デメリットとは
メリット
- 色数や細かさの制限がない
入稿データーどおりに製作することが可能ですので、色数や細かさの制限がありません。グラーデーションや写真のようなデザインも再現が可能です。
デメリット
- 材質がポリエステルに制限される。
インクとの相性の関係で、材質はポリエステルのみ選択可能という業者が多いです。ポリエステル99%、ポリウレタン1%が組成比率になります。
ポリエステルは化学繊維で耐久性に優れていますが、コットンと比べて吸水性に劣ります。
- 国産だと価格が高く、海外だとロットが大きすぎる
国産でプリント靴下を製作する場合、小ロットで製造すると、@900円〜1500円と高額です。
海外生産だとコストは下がりますが、最低生産数が大きくなります。
- 着用したときに下糸のポリウレタンが透けて見えやすい場合がある。
ポリウレタンは、靴下の伸縮性を作る細いゴムで、下糸と呼ばれています。
下糸の色は基本「白」になります。
平置きの状態で、美しい仕上がりに見えても、着用したときに、絵柄が伸びると、下糸の白が透けて見える場合があります。
淡色系の色味であれば、白も目立たないのですが、濃色系ですと目立ちます。下糸のポリウレタンの色をベースカラーに合わせることによってある程度透けを防ぐことも可能です。
その場合、デザインによって、下糸の色の影響で、柄の色が変わってしまうことがありますので、製作時に検討が必要です。
(例)仮にベースが赤で、柄が白と言ったコントラストがあるデザインにおいて、赤の下糸を使うと柄の白がピンクに変わってしまう
プリント靴下の製作をお考えへの方におすすめの、ハイゲージの編み込み仕様とは?
「プリント靴下の製作を検討しているけど価格やロットのハードルが高くて迷っている」「デザインにこだわった高級感がある靴下を製作したい」
そんな方々におすすめなのが、ハイゲージ編み込み仕様での製作です。下記のような細かいデザイン表現も可能です。
ハイゲージの編み込みソックスについて、こちらでも詳しく紹介しております。(外部サイト)
刺繍
刺繍靴下のデザイン表現方法とは
刺繍ソックスは、靴下を「編み込み」の手法で製造し、完成した靴下に刺繍を入れて製作されます。
プリントと同様、「AI」という、イラストレーターの実寸データーで入稿する必要があります。
刺繍で靴下を製作する際のメリット、デメリットとは
メリット
- 既製品の靴下に刺繍を入れることによって手軽にオリジナル商品の製作が可能
既製品靴下にオリジナル刺繍を入れるサービスを提供している業者もあります。刺繍を入れるだけですので、お手軽かつ短納期で、オリジナル靴下を製作することができます。
デメリット
- サイズに制限がある
業者によって異なりますが、通常刺繍が可能な範囲は3x3cm程度になります。刺繍が大きすぎると伸縮性が損なわれるので、注意が必要です。
また刺繍をすると内側が硬くなりますので、範囲が大きすぎるとはき心地にも影響がでます。

まとめ
ここまで、オリジナル靴下を製作するときのデザイン表現方法の種類とメリットデメリットについてご紹介してきましたが、参考になりましたでしょうか。
靴下を製作するときに、デザインはもちろん大切ですが、同時に着用することも念頭におく必要があります。
靴下の仕様についてご質問などございましたらお気軽にお問い合わせいただけると幸いです。
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オリジナル靴下を製作したい方々に向けて、「製造工場を探したい」「どんな種類の靴下が製作できるか知りたい」など状況に合わせた記事を複数紹介しているページもありますので、よろしければご参照ください。